男を熱くさせるドラマがある／漫画『はじめの一歩』


親愛なる君へ

最近、漫画『はじめの一歩』にハマっています。
連載も長いこの漫画は、昔から好きでしたが、最近とみにハマっています。
昔はボクシング漫画というと『明日のジョー』でした。
でも、いまは『はじめの一歩』が、取って代わろうとしています。
『はじめの一歩』に出てくる登場人物は、矢吹丈のような孤高の男ではありません。
私たちの身の回りによくいそうな人たちの姿を描いています。
夢と現実の間で、いろいろな悩みを抱えながら、それでもみんな前向きに生きている。
そんな姿に共感するんですね。

僕は特に主人公の先輩の鷹村守が気に入っています。
鷹村は、グレて暴れていたところを、ボクシング・ジムの会長に、その才能を見出されて、ボクサーになった男です。
ボクシングはメチャメチャ強くて、世界チャンプの６階級制覇を狙っているほどですが、普段の行動は、破天荒でわがまま放題です。
でも彼は、減量や試合でどんなに苦しくなっても、決して泣き言をいいません。
それどころか、そこから信じられないような力を発揮します。
何が彼をそこまでがんばらせるのか？
周囲の多くの人たちが疑問に思っています。
実は彼は、自分に道を与えてくれたジムの会長のおじいさんのためにがんばっているんですね。
「ベルトを獲れば、じじぃ（会長）が喜ぶ」、ただそれだけの理由のために、彼は６階級制覇などという途方もない目標に突き進みます。
試合でもピンチになればなるほど、会長と気が遠くなるほど繰り返してきた練習の成果を出します。
ただ会長との練習の積み重ねだけを信じて。
その絶大な信頼関係と、実の父親以上の、会長への深い思いに胸が熱くなります。

単純だと思うかも知れません。
女の子には、わからないツボかもしれません。
でも女の子にしかわからないツボがあるように、男にしかわからないツボもあります。
『はじめの一歩』には男を熱くさせるドラマがあります。


P.S.　主人公の一歩の、こんなセリフにも熱くさせられました。
　　　「目指すモノがある。たどり着きたい場所がある。足踏みなんてしてられない。
　　　　たとえこの身がどうなろうが、たどり着かなければ意味がない。」
       目指すモノがあります。勇気づけられました。