たとえ30分のデートでも幸せだ
親愛なる君へ
昨日はありがとう。
4年ぶりの再会だったね。
君とまた二人でライブに行ける日が来るなんて、正直思っていなかった。
結局一緒に居られたのは2時間ちょっとだったけどね。
前の日に終わると思っていた仕事が終わらなくて、君は夜勤して仕事を片づけようとしてくれていたね。
「朝には帰れると思うから」前日の夜にそう言っていたけど、結局再度連絡があったのはライブ当日の午後1時だった。
「今とりあえず家に着いたので寝ます。今晩も仕事に行かなくちゃいけなくなっちゃったから最後まで居られるかわからないけど、でも行きます。」
普通にでてきたら、ライブにでかけるまで2時間ちょっとしか眠れない状況だった。
僕は正直胸が痛んだ。
僕が「今回はライブはいいから家でゆっくり休んで。」そう言ってあげるべきなんじゃないかって思った。
でもこの4年間会えなかった君に、次にいつ会える機会があるかって考えたら、その言葉を口にだせなかった。
ごめんね。僕は自分のことしか考えてないイヤな奴だね。
でも、君はちゃんと来てくれた。
疲れてるハズなのに、そんな素振りも見せずに来てくれた。
夜勤と夜勤の間の、わずかな休息の時間を削ってまで来てくれた、君のその気持ちが嬉しかった。
神様もちゃんとわかってくれてたんだね、ライブは2時間もかからずに終了したので、二人でちゃんと最後まで見ることができた。
「本当は一緒にご飯でも食べて行きたいんだけど、ごめんね。」
帰り際、君は僕に謝った。
「いいよ、その代わりゆとりができたら、今度はゆっくり会って、いろいろ話そう。」
「うん、必ずね。」
今回駆け足でしか会えなかったけど、代わりに次の約束をすることができた。
もしそれが実現しないとしても、僕にはそれで充分だった。
たとえ会ってる時間が30分だったとしても、わずかな時間をぬって会ってくれるなら嬉しい。
デートは時間じゃないんだね。
例え短い時間でも会いたいと思ってくれる相手の気持ちが嬉しいんだ。
たとえ30分のデートでも幸せだ。
P.S.
親愛なる君へ
今度1日2回デートをしよう。
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