才能はただ与えられるものじゃない


親愛なる君へ

今日、鬼束ちひろさんのライブに行ってきました。
特別ファンという訳でもなかったんだけど、最近よく耳についてたんで、生で見てみたいと思ってね。
だからそんなに期待してなかったんだけど、それは見事に裏切られた。
それもいい方向に。
ステージに立った彼女の存在感は素晴らしかった。
広いＮＨＫホールが、まるでライブハウスのように近くに感じた。
ＭＣは決してうまくはなかったけど、その分、歌で魅せてくれた。
歌っている時の、その場を圧倒する存在感、限界を感じさせない声量、そして歌にこめる熱い情熱。
とても２１歳の女の子のステージではなかった。
それがＭＣになったとたん、ごく普通の２１歳の女の子に戻る。
たどたどしいＭＣをする時の、彼女はとてもチャーミングな女の子だった。
そのギャップがまた良かった。
久々に天賦の才という言葉を思い出した。
彼女は高校時代、クラスの仲間が受験勉強に必死になっている頃、夢中で音楽を創り続けたそうだ。
もちろん、本当にこれでいいのかという不安もあったらしい。
それでも「自分には音楽しかない。」その固い意思を持ち続けたからこそ、若くしていまの彼女がある。
誰だってはじめから才能だけで成功する訳ではないんだね。
本当の才能とは、自分の中の隠れた資質に、自分の人生を賭けられる覚悟を指すんじゃないかと思う。
よく、「私は才能ないから」という言葉を耳にする。
努力しない人に限って「才能」という言葉を簡単に口にする。
努力しない、自分の信じた道に人生を賭けられない人に、才能が花開くはずはないんだよ。
そういう意味でも、彼女は本当に才能ある人だと思うよ。
僕らも見習いたいね。

P.S.　君には人生をかけられるモノがありますか？