| エル・ダンジュ | |
＜グルメレポート＞ 来店日：2002年8月中旬 関連HP TBSのドラマ「マイ・リトル・シェフ」に料理を提供しているのを知り、シェフの豊嶋氏の料理を一度味わってみたいと思って行ったお店です。 シェフの豊嶋氏は、銀座「レザンジュ」の総料理長を経て、この「エル・ダンジュ」を開いたとのこと。「エル・ダンジュ」とは、「天使の翼」という意味だそうです。 '97年にはクラブ・ミストラルを代表して、鉄人酒井シェフと牛乳対決をしたこともあるとか。 結構期待しての訪問となりました。 最寄りとなる京王線聖蹟桜ヶ丘駅からはバスで10分たらずでしょうか。バス亭の目の前にあるので、駅から遠くても、さほど遠い印象ではありませんでした。 お店の外観は、閑静な住宅街の中にありながら、ここだけ別空間のような雰囲気をかもし出しています。 お店のドアを開けると、すぐにスタッフの方が店内に案内してくれました。 白を基調とした温かみのある店内、天井も高く、ゆったりした印象を与えてくれます。 テーブルの感覚は、特に広くはないものの、圧迫間を感じるほどではありません。 来店時、比較的空いていたこともあって、気持ちよくディナーを始めることができました。 ディナーは、4,800円と6,000円のプリ・フィクスに加え、8,500円のシェフおまかせコースというのがありました。 今回は6,000円のコースをオーダーしました。 まずは前菜の毛ガニとアボガドのジュレ。 これは、若干の追加料金が必要でしたが、貧乏人の性なのか、名前だけで食べて見たくなってオーダーしてしまいました。 実はドラマで使われていた鮎の冷製スープにもかなり惹かれていたのですが。。 で、毛ガニとアボガドのジュレ。これは美味しかったです。 あっさりしていて、それでいて毛ガニやアボガドの味もよくでていました。 見た目も、シンプルですがキレイにまとめられていて、非常に印象がよかったです。 次の魚料理は、本日の鮮魚というのをオーダーし、金目鯛と黒ムツのどちらかを選択。 今回は黒ムツをいただくことにしました。 出てきたのは、黒ムツのポワレ。 表面の焼き具合、身の部分の火の通り具合、それにソースとのバランスもGood。 オーソドックスな料理法ですが、黒ムツでいただいたのは初めて。 メインの肉料理は、豚ほほ肉のコンフィ。 やわらかく煮込まれたほほ肉とソースとの相性もよく、これもおいしくいただけました。 メインの肉料理を食べ終えると、フロマージュを薦められました。 台車で運ばれた８種類ほどのフロマージュは、基本的にはコクの強いものが中心でしたが、普段あまりみられないようなモノもあり、食べてみようという気にさせられました。 くるみとアプリコットの粒入りのパンのスライスが添えられていました。。 デセールは、何種類かの中から選べて、私はフルーツのグラタンにしました。 このフルーツのグラタンに関しては、もう少しインパクトが欲しい感じがしましたが、決して手を抜いているワケではなく、単純に私の好みと多少違ったということだと思います。 最後のコーヒーには、トリュフ・チョコやミニ・パイなどが添えられて来ました。 このチョコやパイもコーヒーと合っていて、いろいろな料理を味わった後のクールダウンに一役買っていたと思います。 総じて料理に関しては、かなりいい評価をしていいと思います。 こってりした古典的な味わいとは違い、もっと素材の味をストレートに引き出す調理という印象を受けました。 素材の持ち味を引き出しつつも、単調な味わいにならず、また見た目にも工夫がなされていて、好感を持てる料理でした。 サービスについては、フロアに２名。厨房に２〜３名といった感じでした。 それほど広い店内ではないので、ある程度空いていれば、特に不足を感じることもないと思います。 フロア・スタッフはまだ若い方で、それほど洗練された感じではないですが、お客に楽しい時間を提供しようという姿勢は伝わってきましたし、料理やワインに関して質問しても、しっかりと答えられ、特に技術的に問題があるということもありません。 ２人いたフロア・スタッフの個々のサービススキルの差も、今後改善されていくと思います。 あえて希望を挙げさせてもらうなら、ユニークなネーミングのメニューが多く（シェフの趣向らしいです）、そのユニークさに吊られそうになるのですが、あまりネーミングに深い意味はない（これはギャルソンの方からアドバイスされました（笑））のが残念でした。 ユニークなネーミングに反対しているのではなく、逆にそのユニークな名前にマッチした「あっ」と驚くような料理も提供していただけたらと思います。 あと、退店したのは閉店に近い時間だったので、できたら豊嶋シェフご自身に見送っていただけたら、より思い出に残る夜になったと思います。 しかし、全体としては特に大きな不満もなく、料理・雰囲気は十分満足、サービスも問題ないレベルで、価格も良心的。私個人としても、また行きたいと思っています。郊外でアットホームな雰囲気の中、ハレの日を祝いたい方などには、特にお薦めです。 |